元ネタ辞典「侵攻作戦パシフィックストーム」編
- パシフィックストーム(作品タイトル)
- 湾岸戦争時の作戦名「デザートストーム」より.
- もしくは,東宝8¥15シリーズ「太平洋の嵐」より.
- 中島七一式戦略爆撃機<轟天>改三二乙型(1巻P14)
- 海底軍艦「轟天号」(自転車ではない)より.ドリルはついていないと思う.たぶん.
- ポール・マイロン・アンソニー・ラインバーガー博士(1巻P50他)
- SFシリーズ「人類補完機構」(最近突然有名ですね(^^)の作者,コードウェイナー・スミスの本名(...で,「家父長的な補完機構」(3巻P100)となるわけです).史実のラインバーガー博士はジョンズ・ホプキンス大学のアジア政策論の教授をつとめた極東問題と心理戦争に関する全米有数の専門家で,外交政策協会のメンバーでもあった.第二次大戦,朝鮮戦争に際しては米陸軍の情報部員として活躍したそうである.
- キャット・メラニー(1巻P50)
- 「人類補完機構」シリーズの主要登場人物,猫娘のク・メル(クはCatのCのこと).
- 平田という作家(1巻P75)
- 「新戦艦高千穂」の作者,平田晋作のことと思われる.
- 「空母で日本本土は叩けんかな?」(1巻P114)
- 昭和15年3月<長門>から陸攻部隊の猛訓練を視察していた山本GF長官が,隣にいた福留参謀長に呟いた「飛行機でハワイは叩けないものか?」という言葉が元ネタ.この台詞は映画「トラトラトラ」でも用いられているが,史実であるようだ(「新版山本五十六」阿川弘之著〜新潮社のP213と,「海軍参謀」吉田俊雄著〜文春文庫のP199〜202に記述がある).
- アーノルド・ヴァン・ヴァスカーク中佐(1巻P117他)
- E.E.スミスのスペオペ「レンズマン」シリーズより.
- スミス大佐(1巻P118)
- ...というわけで,E.E.スミスのことと思われる.
- クナイセン中佐(1巻P120)
- 英語読みだとキニスン,同じく「レンズマン」シリーズよりキムボール・キニスン.アニメ版の主人公ですね.
- 中田大尉(2巻P43)
- 「日本沈没」での日本人脱出計画,D計画の関係者として中田という人物が登場している(映画版では二谷英明が演じていた).
- 藤堂少佐(2巻P43)
- 「征途」に登場の藤堂,といってもいまいち経歴がずれていて一族の誰に当たるのかは定かではない.階級的には藤堂守だが,砲術学校からということで藤堂明かもしれない.
- 英国のレーダー技術者,クラーク君(2巻P45他)
- SF界の大御所,A.C.クラーク.通信衛星のアイデアを考えたことでも有名(3巻171)
- アラン・シェパード中尉(2巻P125他)
- 米国初の宇宙飛行士.
- <R号計画>(3巻P48)
- 「ウルトラセブン」より,ギエロン星を吹き飛ばした超兵器R1号.
- ジャパニウム(3巻P51)
- 超合金Z(マジンガーZ)の別名だったと思う...
- 「BEACHEAD TROOPERS」(3巻P67)
- R.A.ハインラインの「宇宙の戦士(原題:STARSHIP TOROOPERS)」.
アンスン・マクドナルドは、ハインラインのミドルネーム+最初の奥さんのmaiden name(結婚前の姓)で,主に戦前使用していたペンネーム.
「ベーコンの脂がはねる音」というのは敵のクモ型宇宙人が穴を掘るときの音.
- 海兵隊司令官(3巻P103)
- ジェリー・パーネルのミリタリーSFシリーズの主人公,連合国家海兵隊ジョン・クリスチャン・ファルケンバーグ大佐.
- アルバート・ゲスラー中将(3巻P117)
- RSBCに登場のアーダルベルト・フォン・ギースラー大佐か.たぶんこちらの世界では幸せな結婚ができたのでしょう.
- ブルー・クリスマス(3巻P161)
- 岡本喜八監督の映画「ブルークリスマス」(東宝映画,1978年)より.
- Majestic Twelve(3巻P162)
- 「幽霊戦闘機」を「UFO」に,「日英合同」を「米国」に置き換えましょう.きっとこの雑学辞典にはトンデモな内容がたくさんあるに違いない.
- 逓信省技官,佐野昌一(3巻P172)
- 日本SF界の草分けであるSF・推理小説作家,海野十三の本名.著書は「火星兵団」など.逓信省技官は本業です.
- 石原という若者(3巻P173)
- 玉川大学元教授,SF作家の石原藤夫.NTT等において通信分野の研究をしていた経歴を持つ.ただし,実際には佐野昌一と石原藤夫が同僚であった事実はない.なお,情報提供者の方によると,本件は石原氏本人に照会済みとのこと.
- 降着物(3巻P176)
- 1947年7月に発生したUFO墜落事件,ロズウェル事件(^^;.ジェシー・マーセル少佐はUFOの破片をロズウェル基地に持ち帰った人物とされている.
- 使徒(3巻P187)
- この使徒は「巨体」を持っていたり「天使のように」だったりするので,apostleじゃなくてANGELですね.「新世紀エヴァンゲリオン」.
- 口絵(外伝1巻巻頭)
- 航空隊の数字を上下ひっくり返したりノーズや尾翼のマーキングに注目してみましょう.晟というのは松本零士氏の本名です.なお,イラストの小泉和明氏は松本零士氏のところでアシスタントをしていたことがあるらしいです.
- 文明の起源(外伝1巻P7)
- 「おそらく六千年ほどまえ,人類のうちの誰かが石を投げることを覚えた.棒で何かを殴ることには押さえがたい快感があることも知った.そうして文明の進歩が始まった」この過程は映画「2001年宇宙の旅」の冒頭に示されている(でも道具の使用は6000年よりもずっと前だと思うんですが).
- 駆逐艦<グライムズ>(外伝1巻P68)
- オーストラリア人SF作家アーサー・バートラム・チャンドラー(艦長の名前ですね)作「銀河辺境シリーズ」の主人公.
- 駆逐艦<綾波>(外伝1巻P82)
- 彼女は自ら輸送船の「盾」になって誘導弾の直撃を食らってしまうのです.
- 小池警部補(外伝1巻P95)
- 風貌などは「刑事コロンボ」のコロンボ.名前は吹き替え声優の小池朝雄.
- 警官の観察(外伝1巻P96)
- 「血の収穫」ダシール・ハメット 創元推理文庫P9に類似の描写がある.ただし結果は全く逆.
「パシフィック・ストーム」
「かれが最初にみかけた警官はひどくきまじめに仕事をこなし,
(略)
五人目からはみなくともわかった」
「血の収穫」ダシール・ハメット 創元推理文庫P9
「最初の見かけた警官は、無精ひげをはやしていた.
(略)
その後は警官を観察するのはやめにした」
- 平塚なんとか先生(外伝1巻P161)
- 「元始、女性は太陽であった」の言葉で有名な,社会運動家・平塚らいてう(1886- 1971).
- 沢村栄治(外伝1巻P164)
- 東京巨人軍所属のプロ野球選手.現実世界では最高勝率(昭和12年春),最優秀防御率(昭和12年春),最多勝利(昭和11年秋,昭和12年春),最多奪三振(昭和12年春,昭和12年秋),MVP(昭和12年春),(昭和11年から13年までは春秋2リーグ制,ただし昭和11年は秋期リーグのみ,というか同シーズンからプロ野球が始まっている)ノーヒットノーラン(1936.9.25, 1937.5.1, 1940.7.6)の成績をあげている.昭和12年春季リーグの成績に関しては,下部防御機銃手である天田氏の言葉どおり.PS世界では昭和19年にも現役でいたらしいが,現実世界では2度目の応召で兵役に服しており,同年12月に台湾沖で乗船していた輸送船の撃沈により戦死.
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