元ネタ辞典「レッドサンブラッククロス」編

RSBC本編RSBC外伝


レッドサンブラッククロス本編

ミシシッピー河(1巻P12)
タイ・ボンバ作のボードゲームシリーズ「トゥモロー・ザ・ワールド」(日独が米大陸で第三次大戦を戦う設定)「ミシシッピ・バンザイ」ではミシシッピ河の東西を挟んで独軍と日本軍が戦うという設定になっている.

サクラとクラマ〇六(1巻P14)
高橋留美子のコミック「うる星やつら」のキャラから?クラマ姫ってのは渋い趣味ですね...

ヘルマン・フォン・オッペルン・ブロウニコスキー(1巻P26他)
実在の人物だが,実際の戦歴はモスクワ,スターリングラード,クルスク,ノルマンディーと独軍の負けた主戦場に必ず顔を見せている.そのため,「必敗の名指揮官」とも呼ばれる.

トライアングル・アロウ作戦(1巻P64)
1963年(昭和34年)に自衛隊で行われた半島有事を想定した大規模図上演習「三矢研究」が名称のモデルと思われる.なお,「三矢」とは陸海空の三自衛隊を毛利元就の三本の矢の故事になぞらえ(RSBCのトライアングル・アロウも陸軍,右翼政治家,軍需工業界という「三本の矢」からきているとなっている),さらに実施年度の昭和「34」年を引っかけたものといわれる.「密書」ではわざわざこの説は否定されているが...

ヴァルター・シェレンベルクSS少将(1巻P79他)
シェレンベルク自体は実在した人物だが,そのキャラクター造形はジャック・ヒギンズの冒険小説「ウィンザー公掠奪」(「ハリー・パタースン」名義),「鷲は飛び立った」に登場するシェレンベルクに大きな影響を受けていると思われる.以下にヒギンズ版シェレンベルクの特徴を挙げると,
・優秀な諜報担当員である
・SSの高官であるが、実はナチズムなど信じてはいない
・密かに反ナチの活動家に手を貸したりする(RSBCではシュタウフェンベルグに「忠告」を与えたりしている)
・アプヴェールのカナリス提督と仲良し(パシフィック・ストームにて登場)
・そういう複雑な立場にいる自分を内心では皮肉に感じている
ちなみに,ナチ関係のノンフィクションなどに登場する現実のシェレンベルクは「勝手に収容所のユダヤ人を解放したり、連合国との和平工作をスウェーデンに依頼したりしてナチの延命と自分の保身を謀る怪しい奴」みたいな扱いをされていることが多いような(^_^;

駆逐艦<ベッドフォード>(1巻P80他)
同タイトルのアメリカ映画があるそうです.NiftyserveのSFファンタジーフォーラムで教えていただきました.なんか,キレた艦長が出てくるらしい. 駆逐艦ベッドフォード作戦(THE BEDFORD INCIDENT)1965年公開

九九九艦隊計画(1巻P104他)
言わずと知れた「銀河鉄道999」ですね.ただし,史実でも「八八艦隊」の拡張(というかそれ以前の金剛,扶桑,伊勢型を含む)として,「八八八艦隊」という表現があった模様.

反応弾(1巻P129他)
アニメ「超時空要塞マクロス」より,オーバーテクノロジーを使用した通常より大威力の核弾頭の名称.RSBCに限らず佐藤作品ではあらゆる核はみんな反応弾と呼称されているが...

明日は世界を(1巻P141)
XTR社が出版した仮想戦記シミュレーションゲームシリーズ "Tommorow The World" より.このゲームは第2次世界大戦に勝利したドイツと日本が世界を舞台に殴りあうのがテーマとなっている.また,落合信彦のオイルマン時代の言葉で同じものがある.

本郷中佐(1巻P175)
戦前の冒険小説「亜細亜の曙(敵中横断三百里だったかも)」の主人公,本郷義昭だと思われる.

巡洋戦艦<高千穂>級(1巻P204)
戦前の冒険小説「新戦艦高千穂」(平田晋作)より.金剛代艦の新戦艦高千穂が大活躍するというもの.

ノヴァヤ・ゼムリア島(1巻P209)
バレンツ海のノヴァヤ・ゼムリア島は実際に旧ソ連の核爆発実験場であった.ただし,旧ソ連初の実験はノヴァヤ・ゼムリア島ではなく,中央アジア,カザフスタンのセミパラチンスクにて1948年8月29日に行われている.

<亜−六>潜(2巻P28)
小沢さとるの潜水艦まんがの片割れ,「青の6号」より.

響中佐(2巻P28)
小沢さとるの潜水艦まんがのもう一つの片割れ,「サブマリン707」(こっちの方が有名か?)より,響艦長.

<D計画>(2巻P39)
小松左京の「日本沈没」の日本人脱出計画より(<D−1>,<D−2>計画も同様).

田所大佐(2巻P39)
同じく「日本沈没」より,田所博士.

電話での反応弾弾着確認(2巻P53)
映画「未知への飛行」(1963年,原題 "FAIL SAFE" ,監督:シドニー・ルメット,出演:ヘンリー・フォンダ他)の中で,モスクワに投下される核爆弾の確認方法としてモスクワに駐在しているアメリカの大使がワシントンに電話をし,電話が不通になったところで投下の確認をするシーンがある.

オタワ救援作戦(2巻P174)
距離はあるが手薄な方面から反抗に出て,あと少しで挫折するところなど,史実のスターリングラード救援作戦「冬の嵐」と共通点を持つ(スターリングラードでは結局全軍が降伏する羽目になるが).また,第6師団が救援部隊の主力であるという点も共通.

日本国籍タンカー<コバヤシマル>(2巻P237)
映画「スタートレック2:カーンの逆襲(STAR TREK II: The Wrath of Khan)」より,宇宙アカデミーの訓練シミュレーションに登場する中性子輸送タンカー.このシミュレーションシナリオでは<コバヤシマル>はクリンゴンの攻撃を受けている設定になっている.

ファウンデーションシリーズ(3巻P35)
アイザック・アシモフのあまりにも有名なSFシリーズ.ここで清水中尉が読んでいる部分は第2巻(早川文庫版タイトル「ファウンデーション対帝国」)より,第1部「将軍」.初出はアスタウンディング誌1945年4月号.雑誌掲載時の題名は”Dead Hand”(死者の手).現実世界では、本書の刊行は1952年であるが,RSBC世界では1948年時点で清水中尉が「なかなか邦訳が出ないのに痺れを切らせて」いたところからみて,刊行がかなり繰り上がっていると考えられる.

ニコラス・モンサラット中佐(3巻P48)
フジ出版社から「非情の海」(吉田健一訳 1967年出版 原書は1951年出版)を出しているニコラス・モンサラット氏がモデル.モンサラット氏は第二次大戦勃発とともにRNVR士官として海軍に入り,初めコルヴェット,のちフリゲートに乗り組んで船団護衛に従事し,中尉から少佐に進級した.戦後海を主題としたすばらしい短編を書き始め,1951年に発表した「非情の海 (原題 THE CRUEL SEA)」によって国際的な作家の一人に数えられるに至った.同書は1939年,売れない作家だった主人公ロックハートが任官したてのRNVR中尉としてコルヴェットに着任するところから始まり,少佐で終戦を迎えるまでの話であり,作者の体験が色濃く反映されている.

第一次印度洋海戦〜<フリードリヒ・デア・グロッセ>追撃戦(3巻P81-)
史実の<ビスマルク>追撃戦(1941年5月24-27日)に対応している.主な配役は以下の通り.
<フリードリヒ・デア・グロッセ>=<ビスマルク>
<ティルピッツ>=<プリンツ・オイゲン>
<比叡>=<フッド>
<穂高>=<プリンス・オブ・ウェールズ>
<天城>=<アーク・ロイヤル>
なお,<ビスマルク>の沈没は5月27日,<フリードリヒ>のそれは6月27日.また,生存者の中で最も高い階級の士官が少佐であった,というくだりも史実と同じ.

フォン・グロスホッホ,ホッフェルトと<ブラウ・サロン>(3巻P117)
日本語に直訳すると,グロスホッホは大高,ホッフェルトは高野,<ブラウ・サロン>は青のサロン,ということで,「紺碧の艦隊」の大高首相と<紺碧会>ですな.しかしこれは結構やばいネタのような(^^;.

「<大和>と<武蔵>は日本の誇り」(3巻P179)
戦前発行されていた「少年倶楽部」という雑誌の付録にいろはかるたがあり,その中の一枚に「<長門>と<陸奥>は日本の誇り」というのがあったそうです.

「この戦車では,奴等に勝てない」(3巻P285)
アニメ「宇宙戦艦ヤマト」より,沖田艦長の科白「この艦では,奴等に勝てない」.

「派手に暴れてごらんにいれますよ」(4巻P42)
史実で山本五十六が日米開戦の是非を問われたときの台詞「半年や一年は存分に暴れて見せますが,その後は何とも言えません」より.作中では山本に向かっての台詞であるところがミソ.

カーター中佐(4巻P83)
ピーナッツ農家の跡取りで潜水艦乗りの元合衆国大統領,ジミー・カーター.

「標的は大和」(4巻P83)

中村正徳二等水兵(4巻P193)
小林源文のコミックに頻繁に登場する「中村」(ただし実在のモデル有り:「東亜総統特務隊」参照).佐藤大輔陸軍中尉や,佐藤大輔三佐によくブン殴られている.

ハインツ・フォン・クラウス少佐(4巻P211)
人物造形はジャック・ヒギンズの「鷲は舞い降りた」の主人公,クルト・シュタイナ中佐から来ているものと思われる.その特徴は,
・優秀な空挺部隊指揮官である
・柏葉章付騎士十字章を持っている
・周りの人間からロマンチストだと思われている(笑)
・国防軍の将軍である父親は、反ヒトラーの陰謀に加わった罪でSSに拘禁されている
・父親の命を救うためにしかたなく特殊作戦に従事している
・しかもその特殊作戦はヒムラーの思いつきで、成功の見込みはほとんど無い(笑)
・作戦の都合で、イギリス軍の将校に化けて敵地に潜入している
また,名前は少女?漫画「エロイカより愛をこめて」より,レオパルド戦車をこよなく愛するドイツ軍情報部所属の「鉄のクラウス」こと,クラウス・ハインツ・フォン・デム・エーベルバッハ少佐から来ているものと思われる.

クラウスが死んだ栗原に騎士十字賞をつける場面(4巻P246)
ボブ・ラングレーの「北壁の死闘」に似たシーンがある.

アエカ一番(5巻P34)
アニメ「天地無用!」より,樹雷星第一皇女阿重霞.突然ネタの方向性が変わって驚いた人も多いのでは(^^;?

青野特務少尉(5巻P114)
同じく「天地無用!」より,柾木勝仁役の声優青野武.カイゼル髭(というほどすごくないか?)は勝仁の風貌.

正木中尉とその家族(5巻P115)
さらに「天地無用!」ネタ.主人公柾木天地(家は神社)と宇宙海賊魎呼,樹雷星第二皇女砂沙美,そして耳の長い魎皇鬼(^^;.

ゲリー・アンダーソン大尉と<サンダーバード>,その乗員(5巻P168)
特撮人形劇「サンダーバード」の登場人物と制作者ゲリー・アンダーソンとその妻シルヴィア,同じ制作者による特撮シリーズ「スティングレイ」より.
ちなみに,国際救助隊サンダーバードのメンバーは,司令官:ジェフ・トレーシー,1号:スコット・トレーシー,2号:バージル・トレーシー,3号:ジョン・トレーシー,4号:ゴードン・トレーシー,5号:アラン・トレーシー(尚、ジョンとアランは1月毎に交代),エンジニア:ブレインズ,執事:キラノ,家事手伝い:ミンミン(キラノの娘),おばあちゃん(ジェフの母),ロンドン駐在諜報員:ペネロープ(黒柳徹子が声をあてたことで有名),ペネロープの執事:パーカー.

防空管制レーダーFuMG79B“ハイリゲンシュタット”(5巻P168)
中部ドイツの地名(実在).そして松本零士「ザ・コクピット」中のファントム・F・ハーロックII世の登場する回「我が青春のアルカディア」より,「眼帯をしていても敵機が撃墜できる」.

四式小銃(6巻P11)
史実においてもM1ガーランドのコピーとして四式小銃が試作されている.しかし,RSBC世界における四式小銃は20連着脱式弾倉の採用などからして,同じく米軍制式ライフルのM14にも影響を受けているようにも見える(M14は第2次大戦時に制式だったM1ガーランドの改良版ライフルで,M1ガーランドが30-06(7.62mm)弾薬を固定式マガジンに8発詰めたのに対し,7.62mmx51のNATO制式弾薬を脱着式の20連マガジンに納めフルオート機能を追加している).ただし,四式の方にフルオート機能が付いているかは不明.それにしても史実では共に7.7mmの弾薬を使っていた日英両軍が何故この世界ではアメリカ軍規格の7.62mm弾薬を使っているのかは謎.

「自分はただの役立たずであります!」(6巻P15)
直前の製造コストのくだりとあわせて,史実の旧陸軍との違いを示すシーンだが,この台詞は米海兵隊の訓練でのそれを思い起こさせる(ひょっとしてこんな台詞は映画の中だけ?).

変人少将とその一党がまとめたレポート(6巻P124)
「変人少将」とはおそらく「パシフィックストーム」の真田少将のことと思われる.

ドイツ海軍超<ヒンデンブルグ>戦艦建造計画ケッテン/SS-X(6巻P167)
アニメ「無限軌道SSX」より.2話ぐらいまでしか見てなかった気が...

ブラックウッド大佐(6巻P188)
ダグラス・リーマン(=アレグザンダー・ケント)作「栄光の海兵隊」シリーズ(早川文庫NV)の主役,先祖代々英国海兵隊のブラックウッド一族の一人と思われる.

「戦車前へ(パンツァーフォー)」(6巻P251)
小林源文のコミックのあまりにも有名な台詞から.

ソコトラ上陸作戦<ブルー・アイス>(6巻-7巻)
「独軍と伊軍が守る島に英軍と同盟軍が上陸しするが,緒戦で独軍の戦車部隊の反撃にあい,艦砲射撃などでかろうじて撃退,何とか全島を制圧する」という展開は史実のシチリア島上陸作戦<ハスキー>とほぼ同様.

「逃げちゃだめだ!」(7巻P46)
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」第1話Cut291より,碇シンジの台詞.


レッドサンブラッククロス外伝

伊号七〇〇型潜改型一番艦(1巻P18)
「実用反応動力潜として数えた場合,八番艦」だから,艦番は「伊-七〇七」ですね(^^;.艦長は響大佐.御昇進おめでとうございます.

第633爆撃飛行隊(1巻P27)
ユナイト映画1964年9月公開「633爆撃隊」より.ウォルター・グローマン監督(元B25操縦士)当時残存していたデ・ハビランド・モスキート5機を修復の上,総出演させた大作.ノルウェーのナチス燃料基地(アウロル燃料??)を特殊爆撃法で攻撃するモスキートが激突・炎上する.もったいない.出演:クリフ・ロバートソン,ジョージ・チャキリス!他

SY-3A,3B船団(1巻P31)
映画「怪獣総進撃」より,月ロケットムーンライトSY3号.2段ロケットで1段目は大気圏脱出用ブースター,2段目は可変翼装備の着陸船になっている.

「未来に向かって脱出するのだ」(1巻P67)
映画「怪獣大戦争」より,X星人の統制官の最後の台詞(この直後彼の乗った円盤は爆発する).しかし,X星人のコスプレをしたレヴィンスキー大佐はあんまり想像したくない.

サターン(中島"土星"発動機)(1巻P76)
三菱が戦後はじめて売る気で作った乗用車、初代三菱コルトギャランに搭載された1500ccエンジンの名称がサターン(ロングストロークの高性能エンジン.1600,2000ccへと発展)

Me1101(1巻P82)
(史実でも)P1101はメッサーシュミット社内での開発番号だが,これをそのまま制式番号にしてしまうのは模型メーカーのドラゴンが始めたらしい.

108発の250キロ爆弾(1巻P84)
ベトナム戦争当時,嘉手納基地から出撃したB52の通常ミッション時の搭載量は500ポンド(227kg)爆弾108発だった.

「北の暴風」作戦(1巻)
史実の太平洋戦争におけるレイテ沖海戦とほぼ同様の展開をたどる.
第一航空戦隊が小沢機動部隊,独仏合同艦隊が西村艦隊,高海艦隊が栗田艦隊,第二機動艦隊がハルゼーの第3艦隊,第一艦隊がキンケイドの第7艦隊にそれぞれ対応.

<ナウシカァD>(1巻P185)
「風の谷のナウシカ」より.

「海底戦隊<隼>」(3巻P63)
八八二三をハヤブサと読んで,「海底人間8823」.

「青嵐建武隊」(3巻P71)
東宝映画「海底軍艦」より,終戦時にイ号400型潜で部下と共に軍を離脱した神宮寺大佐は,南の島に洞窟掘って,海底軍艦「轟天号」を建造した.その洞窟の入り口にかかっていた看板が「轟天建武隊」.

「法務大佐かく語りき」(3巻P127)
英語タイトル "Lowyers Not Ask" はおそらくG.R.ディクスンのSF「兵士よ答うなかれ」より.

月産300両(3巻P169)
このパンテルIIの生産量は史実において1944年にシュペーアが計画したパンテルの最大月産生産数に等しい(結局一度として達成できなかったが).

フリードリヒ大王最後の勝利(3巻P139)
戦艦<尾張>の修理・改装の経緯は、現実世界における戦艦<日向>改装の経緯にインスパイアされている.現実世界において戦艦<日向>は,昭和17年5月5日,主砲射撃訓練中に爆発事故によって5番砲塔を破損した.
その後
(1)5番砲塔を陸揚げして、その後を甲鈑で蓋をし,
(2)その跡地に機銃をつみ込んでミッドウェイ海戦に参加.
(3)帰投後、空母にするかですったもんだの末,17年末に航空戦艦への改装を決定し,
(4)大工事の末18年11月に改装完了したのだが,機体調達と塔乗員訓練に手間どったあげく,
(5)せっかく訓練した人員と機体を19年10月の台湾沖航空戦ですべて消耗.
(6)結局空船でレイテ海戦に出撃するが,増強した対空砲火のおかげで無事帰投する.
というわけで,RSBC世界の航空本部と軍令部は、後甲板の砲塔を失った戦艦<尾張>を
(1)余計な改造を施した機体を準備したり,
(2)特殊な発艦訓練を施した塔乗員を養成したり,
(3)改装のために長期間工廠の施設を占有したり
することなしに,(多少時間はかかっていますが)最も戦力を発揮する形で戦列復帰させているのでした.

IX号重戦車ドラッヘン(3巻P182)
史実の試作重戦車E-100の初期設計案では170mm砲を搭載する予定だった.ちなみにE-100の総重量は140t.

ケーニヒ月面基地(3巻P199)
旧名アルファ,人口3452名というのは特撮シリーズ「スペース1999」より.

「手記 第三次世界大戦」シリーズ(秘録P7)
光人社刊「証言 昭和の戦争」シリーズと多くの共通点を持つ.たとえば初版1990年(昭和65年)など.

雑誌「旭」(秘録P10)
タイトルの付け方といい,ひと昔前の「丸」そのまんま(いまでもそう?).

空想科学戦記シリーズ(秘録P13)
雑誌「丸」掲載の「SF未来戦記」シリーズが元ネタと思われる.ちなみに,このシリーズは後に徳間書店から「SF未来戦記全艦発進せよ!」としてまとめられている.

「シベリアの勝利」伊 東寛(秘録P13)
伊東寛氏は「ムクゲの花が咲きました」という日本と韓国の戦争を描いた架空戦記を書いた人らしい.

「ゲ号爆弾ふたたび」ブライアン・オールディス(秘録P13)
「リトルボーイ再び」ブライアン・オールディス作.「ケルン」を「広島」に置き換えるとそのまんまらしい.

「独立小銃分隊西へ」(秘録P14)
おそらくは東宝映画「独立愚連隊西へ」(1960年)より.「戦死広報に記載後に生還した部隊が,最前線を転戦させられる」という設定(ただし,内容は痛快戦争アクションドラマ).

「日本管区親衛隊本部」レン・デイトン(秘録P14)
仮想歴史小説「SS-GB」(Great Briten管区親衛隊本部ね)レン・デイトン作.

「グアンタナモ旋風空戦録」(秘録P19)
C¥NOVELS「ラバウル烈風空戦録」川又千秋.

藤堂守予備役海軍大佐(秘録P21)
「征途」より出演.RSBC世界では幸せに暮らしているものと思います.

駆逐艦<シャドゥ>(秘録P45)
特撮シリーズ「謎の円盤UFO」より,地球防衛秘密組織SHADO.そしてその司令ストレイカー.

機甲学校でのエピソード(秘録P101)
大都市近郊での戦闘により,大量難民が発生し,道路が埋まった場合の対応方法という問題と,教官の「教官にも,わからん」という回答は,司馬遼太郎著「歴史と視点」(新潮社)の「石鳥居の垢」の中に出てくる,司馬氏の質問とそれに対する「大本営から来た人」の回答から.ちなみに,この時の「大本営から来た人」は,「轢っ殺してゆけ!」と叫んだそうです(^^;.また,このエピソードに登場する「歴史好きのある学生」は司馬氏かもしれない.

ヘクター・バイウオター(秘録P138)
「大太平洋戦争」はワニ・ノベルズから発売中(のはず.持ってないもんで).

デイネリア人(密書P19)
「タイムパトロール」(下の項目を参照のこと)より.タイムパトロール機構を創設した(正確には過去の人類に創設させた)100万年以上未来の時空域に位置する人類の末裔(生物学的に人類と呼べるかは不明).

M・エヴァラード(密書P22)
古典的時間テーマSF「タイムパトロール」(シリーズ)より.主人公(狂言廻しのこともあり)であるタイムパトロールマンのマンス・エヴァラード.

P・アンダーソン(密書P28)
でもって、その「タイムパトロール」の作者が,この人,ポール・アンダーソン です.アメリカの代表的SF作家,「脳波」「100万年の船」「タウ・ゼロ」他多数.

ヴィンス(密書P28)
豊田有恒作「タイムパトロール」(シリーズ)より. 主人公(狂言廻しのこともあり)であるタイムパトロールマンのヴィンス・エヴェレット.この名前は、本家「タイムパトロール」へのオマージュである(上記作品の内容は、パロディではありませんので).作者が日本人ならば、日本の土地勘(鑑?)もあることでしょう.

クロノポリス主任巡回調査員本郷義昭中佐(1巻P175)
戦前の冒険小説「亜細亜の曙(敵中横断三百里だったかも)」の主人公,本郷義昭.

ジョン・カーター大尉(密書P30)
南軍騎兵大尉にして火星の大元帥ジョン・カーター(火星シリーズbyE.R.バローズ),とは別人らしい.

ヴォアザン(密書P53)
小松左京作「地には平和を」より(太平洋戦争で, 本土決戦をやらせた犯人を逮捕したことがある).

ブローム・ウント・フォス特殊迎撃機(密書P90)
機首に大型ミサイルを装備した姿は特撮シリーズ「謎の円盤UFO」のインターセプターそのまんまである.また<影>-すなわちSHADOWは地球防衛組織の名称(劇中の正確な表記はS.H.A.D.O.(Supreme Headquarters Alien Defence Organisation)).

SHADOW(密書P91)
というわけで,参考文献として掲げられているこのタイトルも「UFO」から. 出版社のHalington-Straker Pressとは,S.H.A.D.O.本部の隠れみのにされている映画会社の名称より(ただし,「UFO」では"Harlington"であり,"r"が足りない).出版年の1980年は「UFO」の物語の設定年代.

(Rodan und Bull Verlag, 1964)(密書P91)
こちらはドイツの誇る超大河スペースオペラ,「宇宙英雄ローダン」より,主人公ローダンとその相棒レジナルド・ブル.1964年はたしかシリーズが始まった年だったか?

駆逐艦<キルロイ>(密書P159)
「キルロイ」というのはWWII当時の兵士たちの落書きに登場する架空の人物らしい.「キルロイここにあり」というのも落書きの決まり文句.

ラムの特配(密書P180)
『死闘の駆逐艦』ロジャー・ヒル/雨倉孝之訳 朝日ソノラマ文庫版新戦史シリーズP120でのやりとりより.比較するとこう.
『キルロイここにあり』
「今夜はラムの特配を出してもいいんじゃないかな、艦長。規則ではどうなっていたかね」
「国王陛下が艦隊を御観覧になったときのように、特別に慶祝すべきことがあったとき、と規定されていたように思いますが」
「じゃあまさにその特別な場合だね。国王陛下の船団は見事に虎口を脱出なされたわけだから」

『死闘の駆逐艦』
「操舵長!」
「はい」
「乗員にラム酒を特配したいが、規則ではどう定められていたかな?」
「さあ? よくわかりません。国王陛下が艦隊にお出でになったときとか、何か特別な場合ではないでしょうか?」
「よし、では今がその特別な場合だ。パイプを吹いて知らせろ。(以下略)」

尾崎秀実(ほつみ)(秘録P136)
朝日新聞記者.中国通として近衛内閣のブレーン(満鉄嘱託)であったが,昭和16年に日本最大のスパイ事件である「ゾルゲ事件」で逮捕され,昭和19年に主犯である駐日ドイツ大使館顧問リヒャルト・ゾルゲとともに処刑.

ジョージ・オーウェル(秘録P138)
イギリスの作家.「1984年」「動物農場」など,非人間的全体主義体制を痛烈に風刺した作品を著す.P149でトロツキー氏が言及した「私(トロツキー)そっくりな豚が出てくる小説」 は,おそらく「動物農場」のこと.


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